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星空のロマン(Ⅹ) オルフェウスの竪琴夏祭りの季節となりました。とりわけ七夕の中国伝説は私たちに馴染深いものです。 天の神は、天の川の東に住む働き者の織り姫と川の西で牛を飼っている牽牛とを結婚させるが、仕事を忘れ遊んでばかりいるようになる。怒った神は二人をまた東と西へ離ればなれにしてしまうが、あまりにも嘆き悲しむ織り姫を哀れに思い一年に一度二人が会うことを許した、それが七夕の日。(実際には七夕にも近づくことはなく二人は16光年離れています)織り姫はこと座のベガ、ひこ星はわし座のアルタイル、隔てる天の川のはくちょう座のデネブと結ぶ夏の大三角形をつくっています。
ベガの美しい光は「夏の夜の女王」と讃えられていますが、こと座はギリシア神話ではオルフェウスの金の竪琴に由来しています。 オルフェウスは竪琴の名手で、美しい妖精の妻エウリデケと幸せに暮らしていましたが、彼女は毒蛇にかまれて死んでしまいます。彼は妻を取り戻すために死の国の王プルートンのもとへ出かけ、いろいろな怪物に出会いますが、音楽と光の神アポロンから贈られた竪琴を弾き難を逃れます。プルートンも彼が奏でる竪琴の音に心をなごませ「地上に戻るまでは後ろを振り返らない」という条件でエウリデケを地上に返してくれます。しかし、うれしさのあまり後一歩というところで振り返ってしまったため妻は死の国へ引き戻されます。彼は悲しみのあまり川に身を投げて死にますが、竪琴はゼウスに拾われて天にあげられ星座になったという神話です。 一方、わし座は、ゼウスがトロイの国の羊飼いの美少年ガニメデを酒宴にはべらそうとさらうために変身したワシを表した星座と言われています。(アルタイルは飛ぶワシという意味)。その美少年の姿が秋の星座みずがめ座。彼の持つ水瓶の水は南の魚座の口へと注がれています。うお座の一等星は魚の口という意味のフォーマルハウトです。 はくちょう座はゼウスがスパルタの美女レーダのもとへ通うために変身した白鳥で、その白鳥と仲良くなりレーダが産んだのがカストルとポルックスの双子の兄弟、ふたご座のα星とβ星です…ここまで話が進むと年に一度の逢瀬という七夕伝説とは趣が違い「チョット危ない話」になってしまいますが、ゼウスにはたくさんの艶聞があります。 おうし座はゼウスが変身した白い雄牛でフェニキュアの姫エウローパをさらいクレタ島まで泳ぎそこで結ばれた、このエウローパの名からヨーロッパの地名が付いたとされています。おおぐま座は、ゼウスに愛されアルカスを産んだ妖精カリストがゼウスの妻ヘーラの怒りで熊にかえられたものでしたネ。ヘーラの怒りをかう数々の人間ドラマ(神々ドラマ?)があったようです。…オルフェウスの悲しみは何処へ?という感じです。 天の川、夏祭りとお盆の時期は平和への誓いを新たにする時期でもあります。8月6日広島、9日長崎の原爆忌そして15日の敗戦の日。近隣アジア諸国への侵略と植民地支配、国民・若者を戦争へと駆り立てた国家観と教育の過ちを私たちは再び繰り返さない。戦後60年の節目の年です。誤りのない歴史認識と世界観を持ちたいものです。 平和の中でこそ、祭りの太鼓や笛の音が一層際だち、夜空の銀河も輝きを増します。 |
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